こんにちはまるのまど(@fpmarunomado)です。
今日は「アイリスアプフェル!94歳のニューヨーカー」の感想です。
数年前に映画館で見た作品がPrime Videoに入ってたので見返してみました
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「アイリス・アプフェル」作品情報
邦題 | アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー |
原題 | IRIS. |
製作年 | 2015年 |
監督 | アルバート・メイズルス |
キャスト | アイリス・アプフェル/カール・アプフェル |
公開日 | 2016年3月5日 |
上映時間 | 80分 |
「アイリス・アプフェル」はどんな作品?
画像引用元 https://eiga.com/movie/81936/gallery/
94歳の最高齢ファッションアイコン。アイリス・アプフェルのドキュメンタリー。
アイリスは1950年代から活躍する、今も現役の実業家です。
インテリアデザイナーとしてホワイトハウスの内装を担当。ジャクリーン・ケネディを顧客に持つなどの成功を収めてきました。
キュレーターの目にとまり、2005年メトロポリンタン美術館で展示を開催。
その後80代のファッショニスタとして雑誌のカバーやスタイリング企画を務めていくこととなります。
今作では、売り切れ続出のプロデュース商品や大学での講師活動など90代になっても止まらない彼女の活躍に密着。
年齢特有の事情にも触れ、ファッションの華やかさとヒューマンドラマの両方を感じる作品となっています。
監督はドキュメンタリー映画の巨匠であり、本作が遺作となったアルバート・メイズルス。
辛口だけど真を突いたファッション哲学と夫・カールとの温かい関係性が評価され、全米最大のレビューサイト(Rotten Tomatoes)満足度97%となっています。
まるの
「アイリス・アプフェル」のみどころ
80代のファッションルーキー
画像引用元 https://eiga.com/movie/81936/gallery/
雑誌のカバーガールを目指すなら何歳くらいまで?
それを想像した時に80代の新人を思い浮かべる人はいないと思います。
アイリス・アプフェルは2005年、メトロポリタン美術館で個人のコレクション展を成功させ一気にファッション界の寵児となります。
それから90代も半ばを迎えた今も、コラボ商品やスタイリング企画で活躍し続けています。
印象的な丸くて大きなアイウェアがアナのボブと同じでトレードマークになっていますね。
ミニマリストとは対極、マキシマリストのアイリス
大粒のアクセサリーを幾つも所有し、個別に「服のために」アパートを借りてもたりないアイリス。
インテリアデザイナーとしてこだわりの織物や美術品も倉庫に多数所有しています。
年齢もあってすこしずつ整理をはじめても「手放すなんて胸が張りさけそう!」と子供のように悲しむ姿がかわいいです。
彼女の自宅は絵本の中のようで幻想的で見とれました!
夫カールとの夫婦愛
画像引用元 https://eiga.com/movie/81936/gallery/
1948年に結婚してから仕事でも家でもずっと共に歩んできた二人。
その二年後二人はファブリックの会社を共同設立します。
当時の女性としては驚くほど活動的なアイリスをその夫・カールはずっとそばで支えてきました。
この撮影が始まった時、彼は100歳でしたがインタビューでこう答えています。
「私の愛しい花嫁と、この人生でもっと多くのことをやってみたいのです。もしも神がそうさせてくれるのなら、私はきっとそれを楽しむでしょう」
人生は自分の選択の結果ですが、それを愛してくれる人がいるのは幸せなことだなって思います。
こういう人にはおすすめできない
ファッション系のドキュメンタリーだけど、ブランド服が派手に飛び交うシーンは少なめです。
エンタメ要素が薄く、インタビューや彼女の人柄にスポットがあたっていて地味で眠くなる人は眠くなってしまうかも。
「他人の生き方を知ることが好き」もしくは「90代でしかもファッション業界で活躍していることになんらかの関心がある」とかじゃないと途中で脱落してしまうかも。
この映画を見た後プラダを着た悪魔が観たくなったので、やっぱりエキセントリックさが不足していたのかもしれません。
私の感想
(詳細なネタバレを含みます)
年齢はいいわけに使えない
普段ぜんぜん頭にないけど、ふとした時に年を重ねることがこわいと思う。どうしても「できないこと」が増える印象があって、不安が積もってしまう。
アイリスアプフェルを見終わった後思ったのは、そんなこと考えてもしょうがないってこと。
生きている限り「できない」ってことは選択かいいわけにしかならないような気がした。何歳だからじゃなくて、その年齢までにしてきたことが今の自分を作るのでそこに向かってたくさん成長したいな。100歳になっても明日の自分のためにできることがきっとあるはず。
映画の中にもワンカット映っていたけど、ビル・カニンガムを観た時も同じようなことを思った。
仕事も生活も「楽しい」が大事
成功した会社を売ると決めた時も、実業家とはいえ一般人がメトロポリタン美術館で展示を開催する時もアイリスは同じ基準で判断していた
それは「楽しい」かどうかで、あ~・・・って思った。
なんでもたのしいかどうかはすごく大事なことで、楽しくできるように生きていきたいなって思った。
やっぱりここもビル・カニンガムと似ていて、彼も「仕事を苦痛に思ったことはない」と答えていた。
幸せになるポイントは、楽しめるかなのかもしれない!
細かいいろいろ
最近のファッションドキュメンタリーでたびたび言及される「ファッションは芸術か」についてまた触れられていた。
業界で議論されてることなのかなあ。メットガラもそうだけど、メトロポリタン美術館が一ブーム作ることが多くてすごい!
フランスがファッションの性質を守ってきたといえるなら、ニューヨークはファッションと経済をうまく結びつけるなあと思った。
アイリスについては一周まわって、「お元気だなあ」という感情がすごい湧いてる。
買い物で値切る元気まである。
個人的には11歳で大人気ファッションブロガーとなったタヴィとの対談シーンにぐっときた。短かったけど。
至上最年少と至上最高齢のファッションルーキー、人生は自分の舵取りしだいだっていう象徴のようだった。
ほんとに、1人の女性の人生の話で「何を選んできたか、何を捨ててきたか」が映し出されている。
エンドロール直前にはカールのカット、エンドロールの後は監督であるアルバートのカットがそれぞれ採用されていて、共に故人となっていたことも悲しい。
大好きな人と結婚して、一緒に長生きして、年をとっても大好きだよ愛してるよっていわれて、本当に幸せだと思う。
でも、いつかどっちかが先に旅立っちゃうのって想像すると言葉にならないなあ。
監督がわざとそうしたのか、ラストにむかって人生の終わりの部分が強調されているように感じた。
年をとっても消えない力を育てたいなと思う。そして人生は一度きりということばがとても刺さった!
まじめなことはあとから考えるとして、一番共感したのは「暗く生きてないで人を笑顔にしたい」という言葉。
人を楽しくさせて生きたいなあと私も思います!
まど