「メットガラ ドレスをまとった美術館」/The First Monday in May 感想

こんにちは、まるのまどです(* ´ ▽ ` *)ノ

「メットガラ ドレスをまとった美術館」の感想を改めて書こうと思います。

既に終了したイベントですが、感想では内容に触れているのでまだ見ていない方はご注意くださいね( ∩ˇωˇ∩)

基本情報

邦題メットガラ ドレスをまとった美術館
原題The First Monday in May
製作年2016年
監督アンドリュー・ロッシ
キャストアナ・ウィンター/アンドリュー・ボルトン
カール・ラガーフェルド/ジャン=ポール・ゴルチエ 他
公開日2017年04月15日(日本)
上映時間90分

どんな作品?


(C)2016 MB Productions, LLC
2015年の「メッドガラ」が開催されるまでを描いた、8ヶ月のドキュメンタリー。

METはメトロポリタン美術館の略称。

同美術館服飾部門の活動資金調達を目的としています。

「メットガラ」はアートとファッションを融合させたイベント。

アメリカ版「VOGUE」編集長アナ・ウィンターが毎年主催しています。

アンドリューボルトンというキュレーター側の要と、マネジメントのトップであるアナの両名に密着した90分です。

こんな人におすすめ

アナ・ウィンターが好きな人


(C)2016 MB Productions, LLC
「プラダを着た悪魔」で世界中に認知されたといっても過言ではないアナ・ウィンター

彼女がメインで映画が進行するので、ファンの方は必見だと思います。

相変わらずのクールな仕事ぶりで見ていてちょっとふふふっとなってしまいます(っ´ω`c)お馴染みの「切り捨て」シーンもたくさん。
アナともはやセットであるセレブとオートクチュールも飛ぶように出てきます。

「ファッションが教えてくれること」が好きな方も楽しめますよ

しろひよ

ファッション・アートに関心のある人


(C)2016 MB Productions, LLC
宣伝文句のひとつである「華々しいレッドカーペットの裏で流される汗を知って欲しい」という言葉に注目。
私たちは通常、完成された状態で美術展示を見ます。

そのためキュレーターが展示のために作品の独自性とストーリーをまとめていることを実感する機会は多くありません。

この映画を見ていると一つの展示もまた、芸術となり得るように作られていることに気付いてハッとします。

今作のメットガラは「China: Through The looking Glass」展のオープニング。

アメリカの美術館が中国の歴史を辿る難しさも映画の見所の一つになっています。

準備を進めるにつれ、理解に齟齬が生じ、政治的な問題も絡んできます。

そういったキュレーターが異国の文化をイベントとしてまとめる難しさも見所の一つです。

「働くこと」について考えることがある人


(C)2016 MB Productions, LLC

本作のメットガラは4ヶ月の展示期間を延長し部門史上最多の80万人以上の来場者を記録する大成功。

これは間違いなく世界最前線のイベントの一つです。

「それに関わって働くひと」を見ることは大きな刺激になりました。

自分と直接関わりのない分野でも「一流の人」から得ることはたくさんあることを実感します。

なんかやる気がでない時に他者の仕事ぶりを見ると、自分がどう働いていきたいかの整理がついたりします。

わたしの感想


(C)2016 MB Productions, LLC
アナ・ウィンターは性格的に私と共通点のまったくない女性だと思うので、見ていてとても楽しかった!
ファッションは「特別良いものじゃなくていい、一般的であれば」という価値観は世界的に広がっている。業界は縮小と衰退の道を進み、ブランドのフラッグショップは撤退が続く。そんな中、一人あたり2万5千ドル(約270万円)の席料にも関わらず600席が瞬時に満席になるイベントを主催できてしまうアナ・ウィンターってすごい面白い人だと思う。

映画に内包されたテーマの一つである「ファッションは芸術か」ということを考えながら見ていた。

なのにアナが中国の歴史の勉強(どう定義するかセンシティブな人物や問題もある)もしないまま中国の担当者に対して「なんで資料提供してくれないの?」という態度でいてすこし笑ってしまった。アナの豪快さがよく分かるシーンでもあるし、見る人によっては傲慢で非常識に感じるシーンかもしれない。セレブの席割りとか、リアーナのギャラ交渉よりこの瞬間が一番(えっ生きて中国から帰れるの・・・?)とハラハラした。よく考えたら生きて帰ってるから映画になってるんだけど。中国の担当者はまったく笑っていなくて、こちらがドキドキしてしまう。見返す時、全員の表情を確認したいシーンの一つ。
でも実際に異国の繊細な文化背景を理解することは、長い時間をかけた尊敬と努力がいることなんだろうな。キュレーターという仕事を「飾り付けを考える人」くらいに想像していると、その職務内容の複雑さに驚くことがたくさんある。

VOGUE編集長としてのアナはモデルで惹き付ける時代が終わることを見抜いて、いち早くセレブを起用したことで有名な人だ。とにかく「他の業界のパワーと融合させてファッションの権威を保つ」ことに長けている。コラボの天才で、メットガラもそういうイベントだった。アナがいなくなったらこの業界はどうなってしまうのか不安になるほどの人。一つのジャンルの方向を決めるほど影響のある仕事ができるのってすごい。映画に出てきたデザイナーたちは「ファッションを純粋なアートだと感じたことはない」と答えていたけど、個人的にはまだ決められない。

ファッションドキュメンタリーによくある静かな音楽とインタビューが中心で眠くなりそうになるっていうことはなく、アナがバリバリしているかアンドリューがいかにスケジュール的な意味で追い詰められているかを交互に映していて、全然退屈しません(っ´ω`c)アナとアンドリューも大胆と繊細で対照的に見えながら、ベストの先を見ている共通点があった。お互いに信頼して任せてる感じが働くのそんなにがんばりたくないけど、楽しそうって気持ちにさせられる。面白かったー!

まど

自分以外の人生の一片を見られることはとても興味深いです

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